2006吉阪隆正展-内藤廣講演
京都工芸繊維大学で行われている「吉阪隆正展2006」へ。弟子の内藤廣氏の講演も企画されていたので、それにも合せて。
14時スタートでしたが、ちょっと遅れて到着した頃には会場は超満員。会場には入れずで、会場を移すテレビ越しの聴聞となってしまいました。吉阪氏とおなじ、所属(国籍だったり場所だったり立場だったり)を越えることを厭わないひとたち(内藤氏は「境界線の人」と表現)の話から。次に吉阪氏本人の人物像にせまり、作品のスライドへ。多国籍な感覚で普遍的な力強い建築をつくり、モノのカタチで人と人をつなげようとし(有形学)、それを弟子達に伝える教育者であった吉阪隆正の生きかた。去年にお話を聞く機会のあった象設計集団・樋口氏の考え方にしても、今回の内藤廣氏にしても、吉阪研究室出身者の方々は強く吉阪隆正の思想の影響を受けているようです。それだけ吉阪隆正が偉大な思想家であったのだろうと思います。
「40年前、吉阪隆正が考えたことを、いまの若い人が勉強したらよい」
それまでの価値観が崩壊し、進むべき道がわかりにくい戦後の転換期を生きた吉阪氏の思想に今顧みることを説きます。既価値観の崩壊という点で似通っている現代を20代30代が考え変えていかないと、これから先面白くない世の中になってしまうと、講演をしめられました。「今の建築界の潮流はほとんど茶番だ」といい放つ内藤氏。自分も表層的ではなく普遍的な力ある建築を求めたいと思います。
肝心の「2006吉阪隆正展」は吉阪氏のディテールへのこだわりを感じさせてくれる秀逸な展です。今月いっぱい京都工芸繊維大学で展示がされているのでぜひ興味ある方は。巡回展で次なる地は九州ということです。
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